いなかの生活

不幸だって笑ってくれればいいさ。

おまえ以上に不幸な奴もいるって笑ってくれてもいいさ。



でもこれが私なんだ。



平成元年の寒い日に生まれ、未熟児寸前ながらも、小さい頃は幸せに育つ。

しかし六歳で栄養失調により、左足薬指と左手小指の成長が止まる。



小学校に上がる頃からか、父のしつけが厳しくなる。

殴られ、押入に閉じこめられたり、髪を引っ張られ引きずられながら車庫に閉じこめられたり。

兄に至っては、鼓膜を2回破られてる。



土日以外は習い事で友達ともなかなか遊べない。



怒られるのが怖かったから勉強もがんばった。

でも一点でも落とせば容赦なくしかられた。

90点のテストには、でかでかと落第と書かれた。



中学は、兄が喧嘩を繰り返してたこともあり、違う中学へと受験させられた。



信じてた子にいじめにもあった。

私を追って受験してきた子を、不潔という理由で無視もした。



小学校3年から高校2年まで、兄から性的暴力にもあった。



だから中学では必死に勉強して、県内トップの進学校の寮に入った。

とにかく逃げたかった。

兄からも、父からも、見て見ぬ振りする母からも。

というより、地元に残れなかった。兄が高校を退学になるくらいの問題を起こしたからだ。結局単位が足りて停学のまま卒業しましたが。

親は兄を守るのに必死だった。私も受験期だったのに。

何にも心配してくれなかった。



高校でも必死にやった。最初はトップにいた。途中から追い抜かれても食い下がった。

恋もした。そいつのためならすべてなげうってでも幸せにしたかった。

猫のようにじゃれていた。向こうが。でもふられた。

死んでやろうと思った。それくらい好きだった。そして今、またそいつに恋をしている。



受験はセンターで失敗して、立教、青学、千葉の中から国立を選んだ。

祖母の入院費も、一浪して私立に行った兄の金もかかったから。



大学の成績だって、そんなに悪くはない。卒論さえ書けば卒業できる。



でもなにもかも見失った。

友達の元彼に性的関係を強要され、9歳上の人に遊ばれて捨てられた。


痴漢というか、傷害事件に巻き込まれた。



もうやりたいこともなくなった。

絵の力は確実に落ちている。

音楽はあいにく音感しか持ち合わせてない。



何のための勉強だったのか。

私にはもう何も残ってない。

こんな醜い私を愛してくれる人がいるはずもない。

やつだって、結局は仲のよい友達でしかないのだ。



消えてしまいたい。

なくなってしまいたい。

痛いことは嫌いだから。
さんざん痛めつけられて、自分でも自分を痛めつけたからね。



これが、私のすべて。